第32回国際喘息学会日本・北アジア部会

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ご挨拶

第32回国際喘息学会日本・北アジア部会
会長 山口 正雄
(帝京大学ちば総合医療センター第三内科(呼吸器)教授)

 この度、第32回国際喘息学会日本・北アジア部会の会長を拝命いたしました。伝統あるこの学会の開催を担当いたしますことを大変光栄に存じます。本会のテーマは「喘息のnatural historyへの挑戦 ~基礎と臨床の積み重ねの先に~ Challenging natural history of asthma based on the accumulating basic and clinical developments」としました。natural history、基礎と臨床の積み重ね、という言葉を含めたのは、時代の最先端の内容を今一度皆で議論し、今後進むべき道に光を灯したい、という考えと共に、内科、小児科だけでなく、全身の診療を行う上で協調して行くべき様々な科の先生方、そして基礎研究者との活発な議論の場としていただきたい気持ちを込めました。
 本学会は気管支喘息に特化した国際学術集会であり、歴史と伝統があり世界的な規模で活動する国際喘息学会(Interasma)の支部(日本・北アジア部会)という位置づけです。ただし国際喘息学会本部の指揮下で学術活動が規定されるわけではなく、独自性の強い学術活動が今まで行われ、独自の歴史と伝統を形作ってきました。また、2018年には第24回WCA (World Congress of Asthma)が大田 健会長の下で東京で開催され、今までの日本・北アジア部会の活動が世界的に高く評価されていることを示しています。
 我が国の喘息死は年間に約千名にまで減少し、喘息病態に関する基礎的・臨床的な研究の進展は著しく、また何よりも、新しい吸入療法、新規の抗体製剤が次々と導入され、多数の喘息患者に恩恵をもたらしています。しかしながら、喘息死はさらに減少させていかなければならないだけでなく、重症でコントロールがつかずQOLに多大な制約のある患者がいまだに多数存在するという問題も厳然と存在します。診療においては感作アレルゲンの特定、気道炎症のタイプの解析に加えて、上気道や皮膚といった肺以外の臓器も視野に含めることがますます重要となっています。従来より喘息の原因遺伝子、フェノタイプ・エンドタイプ解析、種々のバイオマーカー解析、が進められてきました。これらが、抗体製剤の進展と相まって融合し、我々の目の前に新たな喘息学の進むべき道を見せつつあります。近年喘息の臨床的寛解clinical remissionが議論されていますが、その先の治癒cure、自然歴natural historyの制御という一大目標も夢物語ではなくなってきました。
 今回の学会では、私が留学中にお世話になった米国Stanford大学Stephen Galli教授(リモート)、ドイツのMarcus Maurer教授(リモート)に招請講演を、高名な研究者・臨床医であるAtsushi Kato(リモート)、Joshua Boyce(収録動画配信)、Hirohito Kita(リモート)、Sven-Erik Dahlén(収録動画配信)、Kazuhiro Ito(現地発表)、Hae-Sim Park(収録動画配信) 各先生方に教育講演をお願いしています。また会長特別企画として、私の出身高校の同窓の方々から、宮城島一明先生(元WHO食品安全人畜共通感染症部長)(収録動画配信、質疑は可能であればリモートで参加)、渡辺誠一郎先生(名古屋大学理学部教授、はやぶさ2プロジェクトにおけるチーフサイエンティスト)(会場にて現地発表)の講演を予定しています。これらの内容が若い方々に刺激と活力を与えることを期待しています。
 この3年余り社会に甚大な影響を及ぼしたCOVID-19は依然として要注意であるものの、本来の社会的活動が戻りつつあります。皆様方にはぜひ現地にお越しいただき活発な討論・交流を深めていただきたいのですが、現地参加が難しい方々にも配慮してハイブリッド方式とし、web視聴限定の参加費も設定しています。多数の皆様のご参加をお待ち申し上げております。

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